ぎふアジア映画祭
映画は、総合芸術であるとともに、様々な生活、歴史、文化、宗教など多様な価値観をダイレクトに伝えてくれる、優れた情報媒体です。『ぎふアジア映画祭』は岐阜市民の目に触れる機会の少なかったアジアの作品を上映し、アジア各国の文化・風習を紹介してきました。現在は、市民ボランティアのみなさん(市民スタッフ)を作品の選定委員・運営スタッフに迎え、より身近な映画祭となっています。
岐阜市が、昭和53年にイタリア・フィレンツェ市と、昭和54年に中国・杭州市と友好姉妹都市の盟約をそれぞれ締結したことをきっかけに、文化紹介・交流を目的として、イタリア映画や中国映画を中心に、年に2~3本の映像作品を上映していました。当時はまだアジア映画の上映機会が少なく、「岐阜でなかなか観られないアジアの優秀な作品を」という市民の声に応えるべく『アジア映画の夕べ』が誕生しました。現在の『ぎふアジア映画祭』のバックボーンとなる事業です。
『アジア映画の夕べ』では、映画を総合芸術と捉え、日本を含めたアジア諸国の世界状況、歴史、生活習慣などを伝える情報の媒体として映画を活用してきました。岐阜にいながらアジア諸国について知る機会を提供することにより、多くの市民が映画を通してさまざまなことを学び、アジアの中の岐阜市、世界の中の日本について楽しく考えてもらうことを趣旨としてきました。この『アジア映画の夕べ』は、岐阜市公共ホール管理財団など岐阜市行政が主導して、20年以上も毎年継続的に開催し、アジア映画鑑賞の市民ファンを獲得してきました。この事業に「わたしたち市民も直接関わって、アジア映画の上映会をより盛り上げていこう!」という気運が高まり、平成14年に行政と市民が連携して『岐阜アジア映画祭2002』が開催されました。
こうして、さらなる活動の展開をめざし市民スタッフ(市民ボランティア)のみなさんと協働で作品選定・運営を行う、現在の『ぎふアジア映画祭』となりました。また、平成20年度(2008年)には日本ファッション協会が主催する、【シネマ夢倶楽部】より、映画文化の推進と発展に貢献があった団体や行政に贈られる“シネマ文化賞”(これまでに「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」、「福岡アジア映画祭」等が同賞を受賞)を受賞し、市民参加型・市民手づくりの映画祭として、映像文化の発信、地域文化の振興、地域活性化に努めていることを評価していただきました。